「検討ってどこまでつくるべきなんですか?」って聞かれた話
えっもう一年経ったんですか?って言いながら作業してる。もう一年経ったの?本当?いや一年経ったどころじゃなかった。もう夏ですもんね。
というわけで、最近はライノセラス+グラスホッパーを勉強しています。ここにもお勉強の話書こうかな、夏休みだしね。
今日は先日大学にお邪魔した際、修士課程の人からふとされた質問が面白かったので雑記しておきたいと思っています。
「そもそも何を作っているのか」の話
質問してきてくれた時マンツーマンだったのですが、「目的によりますって返事はもう2万回くらい聞いたけど整理できなくて困っています」みたいな険しい顔をしていたのがまず印象的でした。でもその話は「目的によります」が本当にこたえだと思っているので少し笑いました。
わたしの回答は以下のとおりです。
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基本的にはご想像の通りで『目的による』です。とはいえ一緒に話す上でいくつか揃えたい前提があるので共有します。
BIMという言葉は「Building Information Modeling」の頭字語であっているのですが、
この「モデリング」という言葉を聞いたときに、
どうしても反射的に『3Dソフトにオブジェクトを作成すること』だと理解してしまう人が多いようです。
大学で建築を勉強なさったということであれば、構造解析などで各辺に変節点を持つメッシュ構造に形状を分割して応力モデルを作成した有限要素法の解析などもみたことがあるかもしれません。この応力モデルという言葉が示すのは「情報を共有できる形に落とし込んで表現すること」ですね。
BIM「モデリング」もおそらくはそのような意味なのです。言葉にするなら、「建築情報の共有可能な整理」です。
敢えて目的にフォーカスした言い換えをするのであれば、Building Information Managementが適当かもしれません。
「ソフトウェアはツール、BIMはワークフローの考え方」という表現も、Managementと言い換えたほうが理解しやすいかもしれません。
理解のしやすさを優先してちょっと厳密さを犠牲にしている向きがありますが、いったんここは丸呑みしておいてもらっていいと思います。
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この前提をもとに最初の疑問を振り返ってみますが、
設計行為では何をしているかといえば「(建物や空間の)仕様決め」ですね。
要件定義で目的を達成するゴールの合意をとり、基本設計で手法とプロセスを決定し、詳細設計でプロセスの末端の処理を回収していく、
アドイン開発くらいの規模で考えるとヒューマンサイズになってわかりやすいかもしれません。
「建築物の仕様を定義するのに必要な情報」を集めてくることが目的であると理解できているのなら、
階段手すりのささらが途中で切れていることを修正するために徹夜することが本当に必要なのか?という疑問が湧いたときに、
「なぜ必要なのか?」
「何に必要なのか?」という正しい問いを自分に投げかけられるのではないでしょうか。
もちろん人によっては必要な場合もあるんだと思うので、問うた結果「必要だ」とおもったら頑張ってください(笑)
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現時点でわたしの出せる答えはここまででした。
感覚的なことを言葉にするのって難しいですね。
問いが面白かったのでメモしておきます。
集計キーの話せっかく下書きしてあるのに違う話をしてしまった。